そう聞くと、いっちゃんは分かりやすく説明してくれた。

《あのね、今日愛が澪ちゃんと珠洲島君が図書室で一緒に話したの見かけたって言ったんだけど……本当?》

 確認するようにそう聞いてくるいっちゃん。

 ちなみに愛ちゃんはいっちゃんのお友達。

 私は頭の中でさっきのいっちゃんの言葉を繰り返す。

 珠洲島君と私が、話した……?

 ちょ、ちょっと待って……まず……。

「……珠洲島君って、誰?」

 私、珠洲島君知らない……。

 私が質問返しをすると、いっちゃんは驚きの声を上げた。

《えっ…!?まさか澪ちゃん、珠洲島君のこと知らないの!?」

「……う、うん。」

 いっちゃんの勢いに押されそうになりながらもなんとか返事をする。

 電話越しでもわかるほどの驚きようで、逆にこっちが驚いてしまう。

 す、珠洲島君って人はそんなに有名なの?

 いっちゃんは少し何かを言った後、こう話し出した。

《この学園にはね、アイドル級の五人のイケメンがいるんだよ。》

 そ、そうなの……?初めて知った……。