ち、力、強い……。

 思っていたより珠梨さんの力が強すぎて抵抗もできずにぐったりとしていると、こんな言葉が聞こえた。

「そろそろ澪、連れてっても良い?」

 慌ててその声のほうに視線を向けると、視線の先には苛立たし気にしている環君の姿が。

 な、何でそんなに怒ってるんだろう……?

 不思議の思っていると、珠梨さんはふふっと笑いを零した。

「うん、もう良いよ。私ちょっと莉緒と話したいことがあるから。……澪ちゃん、こいつの相手してあげてね。」

 そう言われて私を解放してくれた珠梨さんにはてなマークが浮かぶ。

 どうしてこんなあっさり離してくれたんだろう?

 環君は解放された私の腕を掴んで、二階に連れて行った。

 なんだか……怒ってる?

 怒ってる様子はないけどそう思えてしまって私は抵抗しなかった。

 環君はそのまま私を自分の部屋に連れて行き、ベッドに私を座らせる。

 やっぱり怒ってる、気がする……。

 苛立ちのようなものが環君から垣間見えて、改めてそう思ってしまった。