こ、この状態はいろいろとまずい気がする……!

 そんな気持ちを込めてお姉さんに抗議した……けれど。

「えー!澪ちゃんにずっと会いたかったんだからもうちょっとだけ、ね?」

 と、おねだりするような調子で言われてしまった。

 うー……そ、そんなこと言われてもこの状態は……恥ずかしい……。

 どうしようか、と思い頭をフル回転させようとした時、急にお姉さんから剥がされた。

「姉さん、澪に手出さないで。」

「……た、環君……?」

 お姉さんから私を引き剥がし、私を自分のほうに引き寄せた環君。

 だけど、その様子が少しおかしかった。

 な、なんか環君から黒いオーラが見える……!

 気のせいかもしれないけど、何故だかそんなオーラを感じ取ることが出来てしまった。

 ど、どうしたんだろう……?

 状況が未だよく分かっていない私に環君のお姉さんは苦笑いを浮かべていた。

「あはは、ごめんね環。だけどもうちょっとだけ澪ちゃんのことぎゅってさせてほしかったなー。」

 ぷくーっと膨れっ面を作り、拗ねているお姉さんに少しだけ可哀想だという気持ちが生まれる。