冷酷少女の複雑な恋模様

 そんな話をしながら向かっていると、あっという間に環君の家に到着してしまった。

 みょ、妙に緊張してしまう……。

「あはは、澪めっちゃ緊張してるじゃん。」

 そのせいでお姉ちゃんに笑われる始末……。

「だ、だって他の人の家になんか言ったことないんだもの。仕方ないじゃん。」

 ふてくされながらお姉ちゃんに言い放つ。

 いっちゃんの家にも行ったことないのに、その前に彼氏の家って……緊張するのは当たり前でしょ!

「はいはい。言い訳は良いからね。」

「なっ、言い訳じゃ……!」

 何でこんな場面で言い訳だって思うの!

 私は思ったことを言っただけなのに!

 そうお姉ちゃんに抗議しようとしたけど、お姉ちゃんはさっさとインターホンを押してしまっていた。

《あ、莉緒いらっしゃい!今開けるからね!》

 モニターからはそんな元気な声が聞こえてきて、思わず固まってしまう。

 て、テンションが高い……。

 苦笑しながらぼーっとそんなことを考えていると、玄関のドアが勢いよくガチャッと開いた。