は、反則って……やるって言ったのに……。

 そう言おうと口を開こうとしたけど、環君の声が先に聞こえた。

「はぁ……そんな可愛いことして、歯止めもう利かない。」

 そうして私の唇にキスを落とした環君。

 突然のことにびっくりしたけど……嬉しかった。

 環君に触れてもらえたことが、何より嬉しかった。

 環君は何回もキスを落としてきて、その度に口づけが深くなっていく。

 幸いなことに、周りが暗くてライトアップが控えめなこの観覧車からはゴンドラ内の様子なんて見えない。

 環君はそれを分かっていながら、何回もキスをしてきた。

「もう一生、離さないからね。」

 キスの合間に聞こえてきた言葉に、私は無言で頷いた。

 言われなくても……ずっと離さないでほしい。

「わ、私も……環君のこと、離さない、から……離れないで……ね?」

 なんとか呼吸を整え精一杯の返事をすると環君はまた大きく息を吐き、ふっと妖艶に微笑んだ。

「そんなの、言われなくても……離すつもりなんてないから。」