「俺、家族とたまに遊園地に行くんだけどその時に姉さんに強制的に連れて行かされてさ……耐性がついちゃったんだよね……。」

 ま、まさかそんなことで耐性がつくなんて……なんか羨ましい。

 別にこれといって凄いとは思わないけど……羨ましくて仕方がない。

 私もジェットコースターに乗り続けてたら耐性つくかも……。

「澪はそんな危険なことしなくていいからね。」

 そう考えて意気込んでいたのに、環君から先に釘を刺されてしまった。

 ……まぁちょっと怖いしね。

 私はそう割り切り、別のアトラクションへと急ぐ。

 環君に聞いても「澪の行くところだったらどこでも行く。」だなんて言うからお言葉に甘えて環君を連れていくことにした。

 その間は環君は絶対に手を離そうとはしなかったけど。

 だけどそれが嬉しいだなんて……環君は知らない。



「ちょっと休憩しよっか。」

 流石にぶっ通しで遊びすぎて疲れてきたから、環君にそう提案する。

 環君は私と違って全然疲れてなさそうだけど「うん、そうだね。」と言って近くのベンチへと私を連れて行った。