環君だって絶対分かってやってるはずなのに「何の事~?」なんて言っているから、もうどうしようもない。

 だけどそれでも……かっこいいなんて思ってしまうのは結構な重症だろう。

 そんなことを考えながら遊園地までの道を歩く。

 遊園地と駅は結構近い位置にあるらしく、歩いていける距離なんだそう。

 でも近いとはいえ、この状態だとはぐれてもおかしくはない。

 明日の月曜も休みだという為、どこを見ても人で溢れかえっている。

 はぐれたらまた迷惑かけそうだし、どうしようかな……。

 そんな考えを巡らせて唸っていると突然、私の手がぎゅっと握られた。

 驚いて反射的に環君のほうを見ると、環君は微笑んでこう言った。

「こうやってしてれば、澪とはぐれないでしょ?人も多いし、澪に何かあったら大変だから俺から離れないでね?」

 うっ、確かにそれは一理あるけど……公開処刑のようなものじゃないか。

 人がたくさんいるから誰も気付かないとはいえ、精神的に恥ずかしい。

 でも……嬉しいと思ってしまているから何も言えない。