そんな私を見て環君はまだ心配そうにしながらもふわっと微笑んだ。

「そっか、じゃ、さっきの出来事も吹き飛ばすくらい楽しまなきゃね。」

 ……ふふっ、良かった。

 まさか環君がそんなこと言ってくれるとは思っておらず、きょとんとしてしまったけどすぐに笑顔を返した。

「そうだね、じゃ行こっか。」

 そう言って駅のほうに足を向けると、環君のどこか参ったような声が聞こえてきた。

「心臓……潰す気なの?」

「へっ……?」

 心臓潰すって……そんな物騒なことしないんだけどな……。

 たまに環君、よく分からない発言するから反応に困る時がある。

 訳が分からずに足を止め、環君のほうへと視線を戻すとバチッと視線が合った。

 その射止めるような視線に思わず息を詰まらせる。

 ……なんか、環君が凄い真剣な気がするんだけども……。

 どうしたらいいか分からずにその場で固まっていると、突然環君がふっと微笑んだ。

「さっきはアイツらのせいで言えなかったけど……澪、すっごく可愛いよ。」

 ……っ。