「あ、おい待てよ!」

 男の人たちはそう言って顔を青白くさせ、その場から去った。

 た、助かった……。

 環君は男の人たちが去ったのを確認した後、慌てて私のほうを向いた。

 その瞳は心配と焦り……後若干の黒いオーラが渦巻いていて、どれだけ自分が心配させたのかが一目瞭然だった。

「環君、助けてくれてありがとう……後、ご、ごめ……むー!?」

「だから、謝ったらお仕置きだって言ったでしょ?もう忘れたの?」

 あ……そうだった、そんなこと言われたんだっけ。

 流石の環君も場所はわきまえているのか、口を手で塞ぐだけで許してくれた。

 しばらくしてからようやく離してくれて、大きく息を吸う。

 はぁ、はぁ……窒息死するかと思った……。

 息を整えてはぁ……と吐き出している時、環君が心配そうに私の顔を覗いてきた。

「澪、さっきの怖かったでしょ?今日、行くのやめる?」

「え……う、ううん!行く!せっかく環君が誘ってくれたし、全然平気!」

 確かに怖かったけど、私にとっては環君とお出かけ出来なくなるほうが辛い。