いつも流している髪は綺麗に三つ編みのハーフアップになっており、顔も少しだけ違う。

　いつもよりかは多少マシになってるとは思うけど……やっぱり似合ってはない。

「澪はそのままでも可愛いからメイクはあんまりしてないんだけど……やっぱり薄くするのが正解ね。」

　お姉ちゃんは隣でそんなことを言うけど、私にはいまいちよく分からない。

　メイクなんて全くしないから分からないや……。

　だけど……環君に可愛いって思ってもらいたくてセンスのあるお姉ちゃんに頼んだから、きっと変わってるんだと思う。

　自分では違いに気付かないけど環君、可愛いって思ってくれるかな……。

　ぼんやりと考えていると、お姉ちゃんに突然こんなことを言われてやっとのことで我に返った。

「澪、そろそろ向かったほうが良いんじゃない？」

「……っ、もうこんな時間！？」

　時計に目を走らせると、もう待ち合わせ時間間近になっていて私は慌てて家を出た。

「お姉ちゃん、何から何までありがとう。行ってきます！」

「行ってらっしゃい。気を付けてね。」