心の中でそんなことを思っていると、下からお姉ちゃんの声が聞こえてきた。

「澪、ご飯できたよー。」

 私は「今行く。」とだけ言って、部屋を出た。



「学校、どう?楽しい?」

 ご飯を食べている突然そんなことを言われた。

 心配をかけないように笑顔を作って「楽しいよ。」と言った。

 この言葉に嘘はなく、いっちゃんと居るといつも楽しい。

 ……それ以外は、あんまりだけど。

「そっか。」

 お姉ちゃんは少し寂し気に笑って、窓の外を見た。

 きっと、お父さんとお母さんのことを考えてるんだろうな。

 お姉ちゃんはいつもあんなだけど、人一倍寂しがり屋だ。

 現に、毎日のように「一緒に寝て?」とお願いされるくらいだから。

 そんなお姉ちゃんをいつも私は「おやすみ。」とだけ言って、さっさと寝てしまう。

 周りからは冷たく見られて、素直になれない可愛くない子。それが私だ。

 私はご飯を急いで食べて、「ごちそうさま。」とだけ言って部屋に戻った。



「ふぅ……お風呂、気持ちよかった。」

 そう言いながら、私は部屋のベッドに腰掛ける。