だけど……今度デートするから我慢しよ。

 デートまではもう少し日があるけど、それでも二人きりでお出かけするのは楽しみすぎて仕方がなかった。



 明後日がデートだという金曜日。

 週末最後の図書委員の仕事も終わり、まったりとしている。

 澪は先生の呼ばれてどこかへ行ってしまい、物凄く寂しい。

 はぁ、澪早く戻ってこないかな。

 ぼーっとそんなことを考えて澪の帰りを待っていると、”あの子”が顔を見せた。

「あれ?澪いないんですね。」

 挑発気味の声が聞こえ、反射的にそちらに視線を向ける。

 視線の先には澪と仲が良い慶君?がいて、嫉妬の瞳を向けてきていた。

 ……あれは視線で人殺せるんじゃない?

 本気でそう思って考えていると、その子が口を開いた。

「珠洲島先輩、澪と付き合ってるんですよね?」

「そうだけど、それがどうしたの?」

 挑発的に返すと、その子はふっと不敵な笑みを浮かべた。

「別にどうもしませんよ。ただ、澪と付き合えたからって浮かれていると……澪のこと奪っちゃいますから。」