冷酷少女の複雑な恋模様

 り、理解したらもっと恥ずかしくなった……っ。

 自分で認めると別の恥ずかしさが生まれ、環君に見えないように顔を両手で覆う。

「みーお、どうして隠すの?」

 環君の甘い声が聞こえたけど、聞かないふりをする。

 今顔を上げてしまったらみっともない顔を見せちゃうことになる……。

 それだけは避けたかったけど、次の環君の言葉で顔をばっと上げることになった。

「顔見せてくれないと、またキスしちゃうよ?」

 そ、そんな恥ずかしいのは耐えれない……っ!

 私は勢い余って顔を上げると、苦笑いを浮かべている環君と目が合った。

「あはは、澪どれだけキス嫌なの?」

 悲しい声色で言われた言葉に、こっちまで悲しくなってしまう。

 い、嫌ってわけじゃ……。

「嫌、じゃない……。だけど、は、恥ずかしい……。」

 途切れ途切れの拙い言葉で自分の意思を伝える。

 言わないより言って後悔したほうが、絶対に良い……!

 初恋をしてそんな発見をした私は恥ずかしさを吹っ飛ばし、夢中になってそんな言葉を繋げる。