間宮君のことは良い友達だとは思う。だけど……環君だけは特別なんだ。

 そう考えながら思いのたけをぶつけると、環君はまだ戸惑いながらも優しく頭を撫でてくれた。

「ふふっ……澪、気持ち伝わったよ。まさか澪から抱き着いてくれるなんて思ってなかったけど……。」

 私だって抱き着くなんてさっきまでは考えてなかった。いざやってみると凄く恥ずかしい。

 だけどそれ以上に……環君に心配をかけたくなかった。

 何も言えずに黙っていると、環君が私の頭を持ち上げて視線を合わせた。

 環君と視線がぶつかって恥ずかしさが急激に加速する。

 視線を逸らせようと思っても、環君の視線がそれを許さないような感じで逸らすことが出来ない。

「た、環君……?」

 ようやく発した声はか細く少し震えていた。

 環君はずっと私と視線を合わせたまま、真剣に見つめてくる。

 環君は何がしたいんだろう?

 そう思ってぼんやりと考えていると、環君がようやく口を開いた。

「澪……何でそんなに可愛いことばっかりするの?」