悲しい顔……全く身に覚えがない。

　間宮君の話を聞けば聞くほど分からなくなってきて首を傾げる。

　そんな私に間宮君は苦笑した。

「だから、先輩のことを大切に想ってくれる人が必要だって思ったんです。もちろん僕にはそんな役割果たすことなんて出来ないんですけど……先輩が幸せなら僕は嬉しいです！」

「友達にも同じこと言われた気が……。」

　いっちゃんにも似たようなことを言われて、私も苦笑いを返す。

　でもまさか、間宮君もそう思ってくれてたなんて全く知らなかった。

　それに悲しい顔って、どれだけ私は人のこと心配させてるんだろう……。

　不甲斐ない気持ちになったけど、今は間宮君に感謝を伝えたい。

「間宮君、ありがとう。」

　笑みを浮かべると間宮君は一瞬だけ固まったけどすぐに「はい！」と元気な返事が聞こえてきた。

　……今日は良い日かもしれない。

　いっちゃんと間宮君の優しさを知って、本当に良い友達を持ったと私は思う。

　こんな冷たくて、愛想がない私に優しさを分けてくれるから……感謝しなきゃいけない。