家の中に入ってまずは自分の部屋に向かう。

 部屋で制服から部屋着に着替えてリビングに戻る。

「澪~、準備できた~?」

 お姉ちゃんが大きな声でそう言ってくる。

「うん。今そっち行く。」

 私は簡単に返事をしてから、お姉ちゃんのところに行った。

 リビングの中に入るともうお姉ちゃんは中心にある机の上で宿題を始めていた。

「澪、遅いわよ。」

 拗ねたような声を出すお姉ちゃんに呆れて、私はお姉ちゃんの正面に腰を下ろした。

 机の開いているスペースで私も宿題を始める。

 これが私たちの日課。

 お姉ちゃんと一緒に宿題をするのは、分からないところとかをすぐに聞けるから。

 こんなお姉ちゃんでも意外と頭いいんだよね。

 それに家には親が海外赴任中だから、お姉ちゃんと二人で暮らしている。

 だから寂しさが少しでも紛れるように、こうしているのもある。

 数十分かけてすべての宿題を終わらすことができ、ふぅ……と息を吐く。

「そろそろご飯しないとね。」

 お姉ちゃんは時計に目を走らせて、キッチンのほうへと向かっていった。