「……た、環君。」

 ……澪は、俺の心臓を壊したいんだろうか?

 そう思ってしまうほど、可愛いが過ぎる。

 自分でお願いしたのに、それを超越するほどの可愛さ。

「はぁ。」

 嬉しすぎてそんなため息が洩れ出てしまう。

 澪は俺の腕の中で身をよじるけど、大人しいまま。

 だけど流石にこの状態ずっとは可哀想だ。

 俺はそう思い、澪を腕から解放した。

 澪の顔を見てみると、リンゴみたいに真っ赤で頭から湯気が出そうなほどだった。

 そんな姿に微笑みを浮かべていると、不意に澪がこんなことを聞いてきた。

「さっきお姉さんだって、言ってたよね?こんなこと聞くのは図々しいかもだけど、どうしてお姉さんと一緒にいたの?」

 ……まぁ、そりゃあ気になるよね。

 俺だってそんな場面見たら納得なんてできないと思うから、本人の口から直接聞きたいと考えると思う。

 澪には辛い気持ちをさせちゃったから、俺にはちゃんと説明する義務がある。

 俺はそう思い、ゆっくりと話し始めた。