冷酷少女の複雑な恋模様

 そこには気付いていないのか、本気でそう思ってそうな声色で返してくる。

 ……はぁ、可愛すぎ。

「じゃあ風音さん……。」

「?」

 俺は名残惜しくも風音さんを離し、こう告げた。

「俺と、付き合って。」

「……っ。」

 その言葉にあからさまに顔を真っ赤に染めた風音さん。

 その反応が可愛くて自然と頬が緩む。

 風音さんはあたふたとしながら、震える声でこんなことを言った。

「で、でもあの女の人は……?」

 よほど心配なのか泣きそうな顔で尋ねてくる風音さんを、安心させるように俺は言った。

 あぁ、あの人はね……。

「あの人は俺の姉。」

「え……お姉さん?」

 そう、風音さんが見たってのはきっと姉と一緒にいるところだ。

「外って言ってたけど、それって俺がクレープ持ってた日のこと?」

 これしか思いつかなくて、再度聞いてみる。

 風音さんは驚いた顔のまま、こくんと小さく頷いた。

 だったら……俺の姉で確定だ。

「風音さん、本当に誤解させるようなことしてごめん。風音さんがこんなに辛い気持ちをしてるのにも気付かなくて。」