その時にようやく、全てのピースが繋がった。

「それって……本当?」

 未だ信じられずに聞いてみると、風音さんは視線を逸らしながらも首を縦に振ってくれた。

「……っ。」

 ……嬉しすぎて、頬の緩みが止まらない。

 しつこいなんて思われるかもしれないけど、俺はもう一度風音さんを抱きしめた。

「へっ……!?」

 そんな俺の行動に驚いて可愛い声を出した風音さんに、まだ疑問に思っていることを聞いた。

「何で忘れようだなんて思ったの?」

 なんとなく答えは見えている。

 だけど風音さんから直接聞きたくて、そんな質問を投げた。

 風音さんは小さく身をよじりながら呟いた。

「だって珠洲島君のことを思うと、あの女の人のことも思い出しちゃって苦しくなったから。……こんな気持ちしたくないから、忘れようって、気にしないようにって……。」

 ……あぁ、どこまで俺のことを喜ばせてくれるんだろう。

 俺はそんなことを思いながら、意地悪くこう言ってみた。

「それって、嫉妬したってこと?」

「……そ、そうなるのかな……?」