冷酷少女の複雑な恋模様

 美味しいクレープ屋さんが出来たから一緒に行こう、って。

 私は用事があったから断ったんだけど、まさかこんなところを見ちゃうなんて……。

 珠洲島君の表情もいつもより緩んでいる気がするし……やっぱり、あの人は珠洲島君の……。

 ……っ、何、考えてるんだろう。

 私には関係ないことだって割り切ったばっかり。なのに、何で気になるの。なんでこんなに……。

 ――胸が張り裂けそうなほど、苦しいの?

 ……っ。

 その場にいたくなくて、私は急いで元来た道を戻り、家へと全力疾走する。

 買い物も大事だけど、あんなのを見せられて平常心ではいられなかった。

 玄関を開け、自分の部屋に閉じこもる。

「はぁ、はぁ……。」

 息をゆっくりと整えて大きな息を吐く。

 その瞬間、私の頬に冷たい何かが落ちてきた。

 ……何だろう。

 そう思って触れてみてからやっと、自分が泣いていることに気付いた。

「……っ、う……。」

 まさか、と考えてから首を左右に振って否定をする。

 そんなわけない、よ……。