冷酷少女の複雑な恋模様

 そう思い、私は早めに整理を終えて段ボールを手に資料室へと向かった。



 ふぅ……これで良いかな。

 息を小さくついて段ボールを置いてから資料室から出る。

 時間も時間だし、そろそろ帰ろうかな。

 時計に目を走らせ、私は図書室へと戻った。

 荷物を持ち、生徒玄関へと向かう。

 その時にふと、校門前の様子が見えた。

「あれ?」

 校門には何故か早めに帰ったはずの珠洲島君が立っていて、しきりに腕時計を確認している姿が分かる。

 誰か待ってるのかな?と考え、様子をじっと見ていると突然一人の女の人が珠洲島君に近づいた。

 わ、綺麗な人だ……。

 遠くからだけどそれでも分かるほどの綺麗さで目を奪われる。

 大人っぽくてすらっとして背が高くて、モデルさんみたいな人だった。

 その人は珠洲島君にくっつき、腕を回してじゃれている。

 ……っ。

 ただそれだけのことなのに、何でこんなに心臓が痛くなるんだろう。

 その様子を見ていられなくて、私は踵を返して近くの空き教室に入った。