珠洲島君との約束が二週間前に迫った日、私は図書室でいつものように本の整理をしていた。

　珠洲島君は今日用事があるらしく、不在。

　何だろう？と気になったけど、詮索はしないほうが良いと思って聞かなかった。

　だけど……どうしても珠洲島君の雰囲気が引っかかった。

　いつも眠たそうな感じで緩い雰囲気が漂っているのに……なんだか今日は少し違っていた。

　どこが違うかって言われれば答えられないけど、なんとなくそんな感じが見て取れた。

　うーん……何なんだろう？

　人の用事には首を突っ込まないほうが良いのは分かってるけど、気になって仕方がない。

　そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら本の整理をこなしていると、あるものが目に入った。

　あ、確かこれって……。

『風音さん、悪いんだけどこの段ボール、資料室にもっていってくれないかしら？先生今から会議があって……。』

　と、申し訳なさそうにしていた先生から頼まれていたことを思い出した。

　よし、これが終わったら持って行って帰ろう。