そんなことを言われて、ドキッと心臓が跳ねた。

 デートって言われたことと、いっちゃんの何かを企んでいる顔に。

 っ、デートなんて……そんなこと、絶対にないのにな。

 珠洲島君だってきっと、ただ楽しみたいから言っただけだと思うからそんなことは思ってないはず。

 その時、心臓がキュッと苦しくなった。

 ……え、何で?

 自分でもその意味が分からなくて瞬きを繰り返す。

 何で私、こんなに苦しいの?悲しいの?

 いっちゃんはもうどこかに行ってしまったし、この気持ちは私には分からない。

 ……気にしなくても、良いよね。

 私はそう思って気にしないように、別のことに意識を向けた。