そう思ったけど珠洲島君が焦ったように「もちろん!」と言ってくれた。

 うーん、珠洲島君もこう言ってくれてるし行ってみたい気もあるし……良いよね。

「来月なら空いてる……けど、どうして来月?」

 私は別にいつでも良かったけど、来月を指定した理由が分からない。

 理由なんて深いものじゃないかもしれないけど。

 珠洲島君は私の疑問に何故か苦い顔をして視線を下げた。

「あー……ちょっと、ね。用事がたくさんあって最速で行けるのが来月だったんだ。」

 なるほど。用事だったら仕方ないよね。

「もう一回聞くけど、本当に私とで良いの?」

 しつこいと思われるかもしれないけど、珠洲島君のベストな形を取りたいと思うから最終確認も兼ねてもう一回聞いてみる。

 そう言うと珠洲島君はふっと笑みを零した。

「うん、もちろんだよ。それに……。」

 一旦言葉を切って不敵な笑みで私に近づいてきた珠洲島君にはてなマークが浮かぶ。

 珠洲島君?どうして私のほうに近づいてるの?

 そう聞いてみようとしたけど、急に耳に珠洲島君の吐息が当たって言葉に詰まった。