「そっか。なら良かった。」

 ほっと息を吐いている珠洲島君に笑みを返す。

 いつもだったら分からない問題ばかりだったから、珠洲島君には本当に感謝している。

 ありがとう、珠洲島君。

 私が心の中で珠洲島君に感謝を伝えていると、ふと珠洲島君がこう言った。

「風音さん、来月の第一日曜日って予定空いてる?」

「日曜日……?」

 確か日曜日は何にも予定は入ってなかったと思うけど、急にそんなこと聞いてくるなんてどうしたんだろう?

「どうして日曜日の予定を……?」

 訳が分からずに尋ねてみると珠洲島君が少し気恥ずかしそうにしながら頬を搔いた。

「実は遊園地にペアチケットを家族からもらったんだよね。それで他に連れていける人なんていないし、定期考査も終わったしその気晴らしも兼ねて風音さんと行けたらなって……。」

 言葉が纏まっていないのかゆっくりと言葉を紡ぐ珠洲島君。

 遊園地って……私はあんまり行ったことがないから行ってみたいけど……。

「私が行ってもいいの?」

 私じゃなくても良いとは思うんだけどな……。