珠洲島君のこと?

「ドキドキとかしないの?珠洲島君に対して思ってることとか。」

「……ちょっとだけなら、ある。」

 小さく呟くといっちゃんは何かを企んでいるような笑みになった。

「そっかそっかぁ。なら、時間の問題かな。」

 時間?何のこと?

 いっちゃんの話がよくわかっていない私はたくさんのはてなマークを頭に浮かべていた。

「ふふっ、多分もうすぐ分かるんじゃない?じゃあ澪ちゃん、部活のミーティングがあるからもう行くね。」

「あ、ちょっと……!」

 さっきのことを聞こうとしたのに、いっちゃんは言葉だけを置いて教室から出て行ってしまった。

 時間の問題……どういうことなんだろう?

 私はそんな疑問を残しながらも教室からいつもの場所に向かった。



 ふぅ、とりあえず明日だからこのくらいで良いかな。

 勉強会も今日で終わりで息を吐く。

「本当、ありがと。珠洲島君のおかげで何とかなりそう。」

 目の前でウトウトと眠たそうにしながらも微笑みを向けてくれる珠洲島君にお礼を言う。

「俺もありがとう。文系、自信を持てるようになったよ。」