私に言ってくれた”好き”は嘘じゃなかったんだな、って。

 自惚れかもしれないけど、そう思わせられてしまう。

 もしかしたら珠洲島君はそんなことは思わず、何気なく言っているだけかもしれない。

 それでも、それだけで嬉しくなっている私が居たのは確かだった。



「澪ちゃん!今回の定期考査は大丈夫そうだよ!」

 定期考査の前日、いっちゃんがこんなことを私に宣言した。

「そっか。頑張れ。」

 軽くエールを送るといっちゃんはえへへと頬を緩めた。

「澪ちゃんのおかげで良い点取れそうなの!本当にありがとう!」

「いや、私はただ教えただけなんだけど……。」

「澪ちゃんの教えがなくちゃ、私は赤点回避できないの!だから凄く感謝してる!」

「定期考査明日だけど……。」

 勢いが良すぎるいっちゃんに半ば気圧される私。

 まだ定期考査始まってすらいないのに、どこから来るんだろう。その自信は。

 いっちゃんの絶対的な信頼に答えられる気がしない……なんて思っていると急にいっちゃんが目の色を変え、私のほうを見つめて口を動かした。