冷酷少女の複雑な恋模様

「数学かぁ……なら、俺が教えてあげるよ。」

「……っへ?」

 思ってもいない言葉が聞こえ、思わず珠洲島君のほうを向く。

「本当?」

 自分の耳が一瞬おかしくなったんじゃないかと思ったけど、その心配は要らなかった。

「うん。だけど風音さん、俺に文系教えてくれない?」

「珠洲島君、文系苦手なの?」

 理系は得意だって聞いていたけど、もしかして文系出来ないタイプ?

 そう思って聞き返すと、珠洲島君は乾いた笑みを零した。

「ううん。苦手ってわけじゃないけど自信を持って得意とは言えないんだよね。いつも平均点よりちょっと上くらいだし。」

 そうなんだ……なんだか珠洲島君の意外なところが見えた気がする。

 私は教えてもらえる事実と珠洲島君の意外なところ発見に嬉しくなりながら、「じゃあお願いします。」と意気込んで言った。



「ここはこうするんだよ。」

「あ、そういうことか。じゃあこれも一緒かな?」

「うん、そうそう。」

 あの話の後から早速定期考査対策をしている私たち。

 珠洲島君の教え方は流石先生から言われているだけあって上手い。