冷酷少女の複雑な恋模様

 だけど珠洲島君にはそんなことは全く思わない。

 どちらかと言うと、とても安心する。

「……って、私も変だ。」

 そう思って頭から振り払おうとしても、頭から抜けることはない。

 珠洲島君の真剣な表情と声色を思い出し、また顔が熱くなる。

「も、もう寝よ。」

 私はさっさとお風呂を済ませ、お姉ちゃんを寝かせてからご飯も食べずに寝てしまった。



「はぁぁぁぁぁ。」

「どうしたの、いっちゃん?」

 ここ最近、いっちゃんはため息ばかり吐いている。

 とても憂鬱そうでこっちまで気分が落ち込んでしまう。

「どうしたの、じゃないよー!」

 そう言ってじたばたと足を動かして項垂れているいっちゃんに率直な感想を述べる。

「いっちゃん、子供っぽいよ。」

「むぅー、だって仕方ないじゃん!私定期考査ヤバいのに!」

 私の言葉に口を尖らせて反論してくる。

 そ、そんなこと言われてもなぁ……。

「私に何をしろって……。」

 若干呆れ気味に聞くと、いっちゃんは大きな声でこう言った。