「もしもし。」

 突然お姉ちゃんからかかってきた電話に驚きながらも通話ボタンを押す。

《あ、澪……?うー、頭いった……。》

 力なくそう言ったお姉ちゃんにはぁ、とため息を吐く。

「えー、また貧血?で、何したらいいの?」

 今月でもう三回目。流石に多い。

《澪はまだ、学校でしょ?私は大丈夫だから……。》

「お姉ちゃん、大丈夫じゃないでしょ。」

 大丈夫なら電話なんてかけてこないし。

 心の中で若干呆れてから、私は「すぐ帰る。」と言ってから電話を切った。

 珠洲島君のところに戻ってまず謝る。

「珠洲島君、悪いんだけど先に帰ってもいい?お姉ちゃんがまた貧血で倒れたらしいから、看病したくって……。」

 本心をはっきりというと、珠洲島君はどこか寂しそうに「……うん、分かった。」と返してくれた。

 私はそのことにほっとして、お礼を言ってから家に向かった。



「……今回の、相当ひどいんじゃない?」

 私はお姉ちゃんの隣でため息交じりにそう言った。

「最近頑張りすぎ。少しは休んだら?」