俺はさっきの出来事を頭の中で反芻した。

 ついさっきのことで、ここには一人の女の子が眠っていた。

 そろそろ図書室を閉める時間になったから、最終確認をしに室内を見回っていた。

 その時に、彼女を見つけた。

 綺麗な薄桃色から水色のグラデーションがかかっている腰上までの髪。ぱっと見でもわかるスタイルの良さ。瞳は閉じているが、黄金比のような顔の作り。

 ……気持ちよさそうに寝てるなぁ。

 俺も寝ていたけれど、彼女の寝顔を見てまた眠くなってきた。

 俺は欠伸を一回すると、彼女を起こしにかかった。

 なんだか申し訳ない気にもなってきたけど、図書室閉めなきゃいけないし……仕方ない。

 俺はそう思うことにして、声をかけた。

「君、起きて。」

 小声でそう声をかけてみるも、深く眠っているのか全く起きる気配がない。

「ねぇ、君、起きて?」

 もう一度声をかけると、彼女はゆっくりと瞼を開いて体を起こした。

 まだ少しぼーっとしているように見えて、それがとても絵になっていた。

 ……なんか、まだぼんやりしてる。