珠洲島君と知り合ってから、そろそろ二か月が経とうとしていた。

 結局あの時の気持ちは分からず終いで、少し忘れかけている。

 それにしても、この時期は憂鬱。

 梅雨時期だってこともあるんだけど、理由は他にもあって……。

「定期考査だ~!」

 といっちゃんが叫んでいるのが聞こえる。

「いっちゃん、うるさいよ。」

 静かにそう注意すると、いっちゃんは大きなため息を吐いてから私に向かってきた。

「もうどうしよ~!私定期考査自信ない~!」

 そう言いながら私に縋り付いてくるいっちゃんに呆れる。

 私にどうしろって……。

「はぁ、いっちゃん勉強しないの?」

「……あんまりしたくない。」

 いっちゃんは拗ねるような口調ではっきりと言い、私の口からはまたため息が出た。

「そんなに自信ないなら、勉強すればいいでしょ?」

 当たり前なことを教えると、いっちゃんはさっきよりも悲壮感に溢れていた。

「う~、それが出来れば苦労なんてしてないって~!」

 ……確かに。

 いっちゃんが素直に勉強すれば、こんなに騒いでもないよね。