そうだ、風音さんをあそこに連れて行こう。俺のお気に入りの場所に。

「風音さん、学校に本を置きに行ったら……ちょっとついてきてくれない?」

「……わかった。」

 風音さんは不思議そうにしながらも首を縦に振ってくれた。

 俺は心の中でガッツポーズを作り、ふっと微笑んだ。

 風音さんには……俺のお気に入りの場所、気に入ってほしいな。

 そう、心で思いながら。