目的の書店に着いて、カウンターにいた店員に用件を伝える。

「すみません。野いちご学園の生徒で、司書の田辺先生から言われて本を受け取りに来たんですが……。」

「あぁ!君たちね。じゃあ、ちょっとこっちに来て。」

 そう言われて風音さんとその店員の後に続いた。

 店員が着いたところは本の在庫などが置いてあるスペースで思ったより広い場所。

「えーっとねー、確かこの辺りに……あ、これだね。」

 店員は何冊かの本をこちらに持ってきて、俺たちの前に置いた。

「田辺先生から言われてたのはこれだけだけど……二人で持てる?これ結構重たいよ?」

 確かめるようにそう聞かれ、心配そうな眼差しを向けられたけど風音さんは間髪入れずに「はい。大丈夫です。」と言っていた。

「俺も持っていけれます。」

 続けざまにそう言うと、店員は不安そうな表情をしながらも「ほんとこれ重たいから気を付けてね。」と言ってくれた。

 本当に重たいのかな、と思い何冊かまとめて持ってみると……確かに重たい。

 持てないことはないんだけど、流石に風音さんにたくさん持たせるわけにはいかないよね。