その無邪気な様子を見て、はっとあることに気づく。

 もしかしたら……こっちが本当の風音さんなのかな?

 表面は冷たいものの、優しくって心を許した相手には簡単に笑顔を見せてしまう、無邪気で純粋な風音さん。

 そう考えると微笑ましくなると同時に不安が襲ってきた。

 もし、もしだけど風音さんに好きな人が出来たら、俺以外の男にもそんな可愛い笑顔を見せるのかな?

 ……どうしよう。

 不安と焦りが一気に襲い掛かるような、そんな心配をしてしまう。

 だけど、俺が必要以上に風音さんに攻めてまた困らせたくない。

 まぁでも、できたらできたでその時だよね。

 他の男に取られたくない。

 でもそれ以上に、風音さんの気持ちを優先したい。

 はぁ、どうしたらいいんだろう。

 俺はいろんな感情が入り混じる中、風音さんの家に向かった。



「あー、ほんとやばい。」

 風音さんを送り届けて自分の家に帰る。

 帰って早々、俺は自分の部屋で大きなため息を吐いていた。

 はぁ……風音さん、可愛すぎでしょ。