冷酷少女の複雑な恋模様

 きっと珠洲島君の答えが心配なんだろう。

 私も内心、少しだけ不安がある。

「俺も大丈夫ですよ。」

 でもそんな心配も杞憂で珠洲島君も了承した。

「本当!?日にちは今週の土曜日なんだけど……大丈夫かしら?」

 土曜日は……確か何にもなかったはず。

「はい。」

 私はそう返事をして返す。

 珠洲島君も同タイミングで頷いた。

 先生は心底ほっとしたような表情になって「良かった……。」と呟いている。

 そんなに心配してたのかな、先生。

 私はそんな先生が微笑ましくってふふっと笑ってしまった。

「どうしたの?風音さん。」

 珠洲島君にそう聞かれて「ううん、何でもない。」と返すけど何でもなくはなかった。

 心の中で微笑んでから、私と珠洲島君は図書室を出た。

「先生、失礼しました。」

「気を付けて帰ってね。」

 先生のそんな言葉が聞こえてきて、先生は優しいなと改めて思った。



 帰路についてからふぅ……と息を吐く。

 書店に行くってことは実質おでかけだよね。