冷酷少女の複雑な恋模様

 な、なんか……いっちゃん怖い!

 どうしてこれほどまでに知りたいんだろうか……あはは。

 それに情報網が……凄すぎる。

 私はいっちゃんの情報網に恐怖を覚えながら、ぽつりぽつりと話し始めた。

「助けてくれた後、私がまだ不安があったから保健室に連れて言ってくれて落ち着かせてくれたの。そのおかげで不安や恐怖はもう大丈夫だよ。」

 そうやって笑いかけると、いっちゃんは「あぁ可愛すぎ、澪ちゃん!」なんて言葉を口にしながら笑顔を返してくれた。

「澪ちゃんが無事なら良かったよ!また何かあったら私に言ってね!」

 やけに”私に”を強調していたけど、そう言われてまた笑みが零れた。

「ふふっ……ありがとね。」

 その後は二人で軽く話をしてから更衣室を出た。



 今日もいっちゃんは部活の練習があるらしく、途中で別れる。

 一人で行動するのはちょっとだけ怖いけど、いつまでもそう言ってられない。

 私は走らない程度の早歩きで図書室へと向かった。



 中に入って室内を見渡す。

 カウンターをふっと覗くとそこには彼の姿があった。