冷酷少女の複雑な恋模様

 な、何が起こってるの……!?

「澪ちゃ~ん!大丈夫だった~?」

 訳が分からなくて混乱している私に、そんな言葉が聞こえてきた。

 もしかして……。

「いっちゃん……もしかして抱きついてる……?」

 恐る恐るそう聞いてみると、突然視界が開けた。

「あ、ごめん!力強すぎた!?」

 解放されて頭を左右に振っていると、目の前にはある人の姿が。

「やっぱり、いっちゃんだったんだ。」

 そう、私の目の前には制服を着たいっちゃんがいた。

 いっちゃんがいるのは、着替えをしていたから分かるけど……。

「他の人は……?」

 他の女の子が更衣室に一人もいない。

 そういっちゃんに聞いてみると、いっちゃんは「あー、それはねー。」と教えてくれた。

「もう次の授業、入っちゃってるからだよ。」

 …………え?

「え、ほんと?それ。」

「うん。そうだけど……。」

 いっちゃんは何でもないと言ったように首を縦に動かす。

 そう考えると、保健室に結構長居しちゃったってことだよね……。