今の最大限の笑顔を作って言うと、何故か珠洲島君は顔を真っ赤に染めた。

 どうしたんだろう?

 気になって聞いてみると話を遮るように珠洲島君が聞いてきた。

「風音さん、授業戻れそう?」

 ……正直、まだ不安がある。

 でもこれ以上迷惑を掛けたくなくて、強がって言ってみた。

 だけど珠洲島君は私の心の中を見透かすようにまた聞いてくる。

「まだ……怖い?」

 うん。

 そう言ってしまいたいけど、自分の強がりが出てしまい「全然大丈夫。」と言ってしまう。

 私がそう言うと、珠洲島君は急に私のことを持ち上げた。

 驚いて素っ頓狂な声が出る。

「へ……す、珠洲島君、何やって……!」

 反論してみたけど珠洲島君に諭されてしまって、私はそのまま保健室に連行された。



 珠洲島君は私を一番奥のベッドまで運んでくれた。

 申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが入り混じっているけれど、お礼を言う。

 ありがと、と口にすると珠洲島君は一瞬目を見開いた後すぐに私の気分のことを聞いてくれた。