それに……なんだか眠たくなってきたし……。

 ついさっきも本を読んでいる途中に寝ちゃいそうな勢いな時があった。

 昨日、ちょっと夜更かししちゃったからな……。

 重たい瞼を何とか開けようとするも、気にしだしたら眠たくなってくるばかり。

 帰らなきゃいけないのに……。

 そう思いながらも、私は急激な眠気に抗えず、夢の世界へとおちていった。



「……ぇ。ねぇ、君、起きて?」

 そんな声が幻のように聞こえて、ゆっくりと瞼を開ける。

 あれ……私、寝ちゃったんだ……。

 頭の中がまだぼんやりしているけれど、今に至るまでのことを思い出す。

 確か……本を読み終わったから帰ろうとして、そのまま寝ちゃったんだっけ。

 なんとかそのことは理解できたけど、今の状況がいまいち飲み込めなかった。

 私の目の前には、私を起こしてくれたであろう男の子がいる。

 淡い紫色の髪に抹茶色の瞳。目鼻立ちがはっきりしていて、一言で言うならばイケメンという部類に入る人。

 スタイルもよくて、少しかがんでいるけれど170cmはある気がする。