私の名前は風音澪(かざねみお)。私立野いちご学園に通う高校二年生。

 実は、つい最近まで地方のほうにいて始業式に編入したばかり。

 だからいろいろと不安なことはあるんだけど、野乃花いち子ちゃんという素敵な友達もできた。

 これから、楽しみになりそうな予感に胸を躍らせていた。



「澪ちゃーん!おっはよー!」

 教室に着くや否や、私にダイレクトアタックしてきた人物がいる。

「もう!いっちゃんそれやめてって言ったよね!?」

 そう、ダイレクトアタックしてきた彼女こそが野乃花いち子ちゃん。私はいっちゃんって呼んでるけど。

「えへへ、良いじゃん別に!それより聞いて聞いてー!」

 私の話を置いといて話し出すいっちゃん。

 人の話くらい、ちゃんと聞いてよ……。

 そう思いつつも、私は耳を傾けた。

「ふふ、この学校恋が叶うグッズがあるんだって!」

 自信満々にそう言い放ったいっちゃん。

 私はその話を華麗にスルーし、自分の席に着いた。

「えっ、ちょっ、澪ちゃん!?」

 私の素っ気ない態度に慌てふためきながら後をついてくる。