2度目の人生で世界を救おうとする話。後編






*****



麟太朗様との話を終えて私はまた歓迎会会場に1人で戻っていた。
顔には出していないが、相当疲れた。



「…」



ため息をつきたい気分だが、それをグッと我慢する。



「紅、戻って来ていたのか」



そんな私に1番最初に声をかけてくれたのは琥珀だった。



「うん。今戻ったところ」

「…そうか。麟太朗様とはどんな話をしたんだ?」



無表情だが、心配そうな目で琥珀が私を見る。


…本当のことは言うべきじゃないよね。

もし本当のことを言ってしまえば、私がどんなに否定しても、〝私が姫巫女を嫌っているかもしれない〟という情報が琥珀に入ってしまう。

そういうところから私はどんどん独りになってしまうのだ。独りにならない為にもそこは徹底しなければ。



「…最近の調子についてかな。いろいろあったから」



ポーカーフェイスも嘘も得意分野だ。
だが、今の私は随分歯切れが悪い。



「…」



そんな私を黙ってじっと琥珀は見つめる。


お願い!これ以上何も聞かないで!


と、心の中で必死に祈っていると琥珀は「そうか」
と少しだけ寂しそうな表情でそう言った。

嘘だと気づいている表情だ。
琥珀の表情に私は少しだけ胸が痛んだ。