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歓迎会当日。
歓迎会は全ての授業が終わった後に寮内にある広い会場で行われていた。

歓迎会に参加を許されているのはここの生徒や職員だけ。
能力者関係者たちも参加したいところだろうが、急に知らない大人がたくさん現れると姫巫女も戸惑うだろうということで、小規模な歓迎会となっていた。



「姫巫女様、段差があります。お気をつけて」

「蒼くん…。ありがとう」



私から少し離れた場所に蒼と姫巫女いる。
姫巫女は慣れない着物に苦戦しているようだったが、今日のパートナーに選んだ蒼に四六時中優しくリードしてもらえているので満更でもなさそうだった。


相変わらず蒼は姫巫女のお気に入りだね。


1度目の時も姫巫女は蒼にべったりだったが、それは2度目でも変わらないみたいだ。


今日の主役の姫巫女は誰もが目を引くような優雅で美しい姿をしている。
まるでお姫様のようなその姿に誰もが感嘆のため息を漏らしていた。



「…」



いやー。本当に綺麗だと思うわ。
私とは正反対だ。
あの着物は春名家のものなんだろうな。


対する私たち生徒や職員はいつもの格好だ。
野郎どもは主役ではないので、そんな配慮はもちろんない。


…さすが姫巫女様。
扱いが違うよねぇ。