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姫巫女を保護したことはすぐに麟太朗様に伝わり、守護者である私たち4人と姫巫女と麟太朗様、この6人はすぐに学校内にある四神屋敷に集められた。

そして未だに状況を理解しきれていない姫巫女に対して麟太朗様による丁寧な説明が始まった。

この学校の存在や存在理由、妖、大厄災、姫巫女の役割など途中で姫巫女が難しそうな顔をしていると麟太朗様は優しい声でもう一度丁寧に説明をしていた。



「と、いう訳なんだけど大体のことはわかったかな?」



大体のことを話し終えた麟太朗様が自身の隣に腰掛けている姫巫女に美しく笑いかける。

すると姫巫女は先ほどまでの不安そうな顔とは違い、どこか安心したような顔で何度も頷いた。


先ほどから思っていたが、姫巫女はやはりおかしい。
あの至近距離で麟太朗様に微笑まれて何も感じていない様子なのだ。
あれほどの美しさを誇る麟太朗様に対して初見であのリアクションとは…視力が極端に悪いのか?

眼科に行くことをおすすめした方がいいのか?



「それじゃあこの話はこれでおしまいだね。大丈夫。不安に思うこともあると思うけど私やここにいる守護者の4人が必ずアナタ…いえ、由衣を守るからね」

「はい、ありがとうございます。麟太朗さん。それに…」



姫巫女はそこまで言うと今度は私たちの方へ視線を向けた。


「蒼くん、琥珀くん」


まずは私たちの向かい側のソファに腰掛ける蒼と琥珀へ。


「武くん、紅ちゃん」


そして蒼たちの向かい側に座る武と私に愛らしい笑顔を向けた。
私だけ〝ちゃん〟と呼ばれているのには理由がある。

先ほど麟太朗様が姫巫女に私が実は女であることを伝えたからだ。