2度目の人生で世界を救おうとする話。後編







「この世界でこんなにも私を愛してくれる人がどこにいるの?」



ふわりと朱に優しく笑い、隣にいる朱の頬に優しく触れる。



「私と一緒に生きる為にずっと頑張ってきたんだよね、朱」



世界を滅ぼしてしまったり、私を監禁したり、やり方がおかしい時もあるけれど、それだけ朱は私のことを愛しているのだ。
そして私も朱を愛している。
最初は家族への愛なのか、異性への愛なのかわからなかったが、これはおそらく…。



「…愛しているよ、朱。私も朱と同じなんだよ」

「…っ。ねえ、さん」



私を見つめる朱の美しい瞳からホロリと涙が流れる。
その美しい涙はやがて朱の頬に触れる私の指先へと伝わり、私の指を濡らした。



「…これ、夢、かな。姉さんが僕と同じ?」

「現実だよ。愛しているよ、朱」

「…うん」



泣き続ける朱にもう一度気持ちを伝えれば、朱が嬉しそうに目を伏せ、笑う。
その姿があまりにも綺麗で私の心臓はまた大きく跳ねた。
泣いている美しい男の人ってこんなにも魅力的なのか。
それとも朱だから魅力的に感じるのか。

…きっと後者なのだろう。