「…僕はそうだね」
琥珀と武の話の流れから、蒼が少し考える素振りを見せる。
それから数秒だけ考えると、蒼はとても愛おしそうに私をじっと見据えた。
「…王子様、かな」
「え?」
琥珀が兄で、武が戦友。
この2人の言葉はすぐに受け入れられたが、蒼の〝王子様〟はどういう意味なのかよくわからず、私は首を傾げる。
「紅を守る存在ってことだよ。僕はこれからも紅の王子様として紅を守りたいんだ」
「…なるほど?」
ふわりと笑う蒼に私は何となく頷く。
私を守りたい蒼の意志は知っていた。実際蒼はいろいろな場面で私をいつも守ってくれた。
特に2度目の人生では何度も何度も蒼に守られ、助けられてきた。
蒼の言葉ではそれを私の王子様として、私を守りたい、になるらしい。
少しだけ変な気もするが、蒼が私を守ってくれることは事実だ。
間違いなくそれは有り難いことで心強いことなのだ。
1度目の私にはそんな存在などいないと思い、ずっと独りだと思っていた。
2度目の私だって最初は誰のことも信じられなかった。
だけど今は違う。
琥珀も武も蒼も私の心強すぎる味方だ。
「みんなありがとう」
こんなにも私の力になってくれる人がいる。
それが嬉しくて嬉しくて私は笑顔でみんなにお礼を言った。
私の進む道は茨の道だが、彼らという存在のおかげでまだまだ頑張れそうだ。



