「それで紅の仕事の方はどう?何か進展はあった?」
蒼の女誑しスキルに若干引いていると、そんなことは全く気にしていない様子で蒼がいつものように何を考えているのかわからない笑顔を私に向け、近状について聞いてきた。
「まぁ、普通に進展はないかな。なかなか難しい問題だよね。人間と妖の共存って」
なので、私はそんな蒼に切実な思いを口にし、本日何度目かわからない深いため息をついた。
私は龍に妖と人間の間に立つ人間として指名されている、いわゆる架け橋的存在だ。
この前も龍から『お前以外の者をこちらに寄越されても追い払う。お前以外は認めない』と淡々と言われたばかりだ。
龍はまだ人間は私しか信用していない。
そう言われても仕方ないし、人間への総攻撃をしないだけ有り難い状況なのだ。
とにかく人間と妖が共存することはまだまだ難しく課題だらけで、少しでも間違えれば、戦争が起きる。
まさに今スレスレの状態で事態は難しく進んでいる感じだ。
「…何かあったらすぐに俺に言え」
もぐもぐとご飯を食べていた琥珀が私の話を聞いて、無表情のまま、真剣にそう言ってくれる。
琥珀は本当に頼りになる存在だ。
「俺は紅、お前の兄のようなものだ。だからいつでも甘えろ」
「…琥珀」
じっと私を見つめる琥珀の瞳はとても優しく、思わず、嬉しくなり、じーんと胸が熱くなる。
本当の兄ではないが、琥珀は私にとって兄のような存在だった。
2度目の今では特にそう思う。
ずっと何があっても私の味方だと言い続けてくれたこと、そして本当に味方でい続けてくれたこと、これがどんなに心強かったことか。
「琥珀が紅の兄なら俺はお前の戦友件親友だな。お前のことなら誰よりもわかっているつもりだ。一緒に俺も戦うぜ」
琥珀の言葉に嬉しくなっていると、今度は武が太陽の如く、明るい笑顔で私にそう言った。
武の力強い言葉に嬉しさでいっぱいになる。
武は私にとって一番一緒にいたまさに戦友だ。
どんなことも共に乗り越えてきた。2度目では特にそうで、武はいつもどんな時も私と共にあり、味方だった。
そんな武が〝一緒に戦う〟と言ってくれるのならば、それは間違いなく、私の力となるはずだ。



