「せっかくこっちに来たんだし、一緒に昼食べようぜ。蒼と琥珀も任務の関係でここにいるし、久しぶりにみんなでさ」
武がニカッと明るく笑い、こちらを見る。
武は高校3年生、蒼と琥珀はここを卒業して、今では能力者として社会へ出ている。
あんなにも一緒だった私たちはもう集まることさえも難しくなった。
そもそも次期当主ではない新しい役職で忙しい私、毎日任務に明け暮れている蒼と琥珀。
4人中3人はそもそも学校にいない。
武も能力者として有望なので、学生ではあるが、もちろん、任務で忙しい身だ。
そんな4人が全員揃う機会は本当になかなかない。
「食べたい。みんなでお昼」
なので、私は二つ返事で武にそう答えた。
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「また綺麗になった?」
机を挟んで目の前にいる蒼が首を傾げながらしげしげとこちらを見つめる。
蒼の隣に座る琥珀は無言で頷きながらも目の前の食事を口に運び、私の隣に座る武は全く興味なさそうにサラダにマヨネーズをかけていた。
そして私は会うたびに言われるこの言葉にどうしていいのかわからず、変な笑顔を浮かべていた。
ここは学校内の四神屋敷の中だ。
私たちはいつものお決まりの位置に座り、全員で机を囲って豪華な昼ごはんを食べていた。
「会うたびにそれ言ってない?たいして変わらないと思うけど」
「でもこの前会った時とリップの色変えているでしょ?この前のもよかったけど今日の色もいいよね」
「…」
何でリップの色が違うってわかるんだよ。
蒼の鋭すぎる観察力に思わず、心の中でツッコミを入れる。
さすが姫巫女を虜にした男だけある。



