2度目の人生で世界を救おうとする話。後編





side神様



紅たちと話し終えた後、私は焦る気持ちを抑えながらも、自分の担当する区画から飛び出した。

姫巫女に介入し、私の世界を滅ぼすことに加担した神がいる。
ここ数ヶ月、私はそれが一体どこの世界の神なのか調べ続けていた。
そして今日やっとその神を見つけたのだ。

神域での神は自由だ。
自身が望めば、何でもできる。
なので私は担当する区画を飛び出して、すぐにその他の世界を担当する神の元へと自身の体を移動させた。



「あの!よろしいでしょうか!」



移動した先にいた神に私は声をかける。
洋と和が入り混じった空間で、大きなソファにゆったりと座っていた神は私に声をかけられて、私の方へと視線を向けた。



「何ですか」



突然現れた私に驚く様子もなく、淡々と答えた神は私と同じ神という立場だが、個体差がきちんとあり、見た目も全く違う。
こちらを少しだけ迷惑そうに見つめるその瞳は黒く、長く伸ばされた髪も少し癖があり、ふわふわとした青みがかった黒髪で、人間でいうと男のような見た目をしていた。

私がこの神に会うのはおそらくこれが初めてだ。



「…アナタ、私の世界に介入してきましたね?そのおかげで私の世界はシナリオにない展開を迎え、滅びました。今すぐにその介入をやめてください」

「…どうしてもですか」

「どうしてもです。アナタも同じ神なのだからことの重大さがわからない訳ではないでしょう」



神の元へと歩み寄りながらも、今すぐに私の世界への介入を止めるように強く言うが、この神は乗り気ではなさそうだ。