ゆるふわな黒色メガネくんは魔法使い




顔だけじゃなく、瞳の奥まで綺麗なんだなと思ったり。



「秘訣は...うつむかないこと」



無言だった空気を破ったのは、彼の方だった。



「...うつむかない....こと」



「そう。うつむいてばかりいるとマイナスな方にばかり引っ張られるから。うつむく癖をまず直すこと」



確かに私は、うつむきがちであるかもしれない。



人の顔を真正面から見ることは少ない。



自分の顔が見られるのが怖いから?相手の顔で気持ちを察してしまうのが怖いから?



いや、たぶん....逃げてただけなんだ。



人見知りだということを盾に置いて結局は逃げ口を探していただけ。



「辛くても苦しくても前を向くんだ。そうすれば絶対にいいことがあるから」



ね?と確認するように笑った顔は誰よりも輝いていた。